Coppermine ナナハン計画

■ 調達変

　PC の自作系の世界では、「見たら買え！」という合い言葉がある。これは、いわゆる「衝動買い」を推奨しているわけではない。その反対に、製品が店頭に並ぶはるか以前から情報を入手し、事前の導入計画と必要周辺物品の準備を済ませておき（含む資金計画）、定期巡回や遠征時には、その製品に関する情報（型番、スペック、ロット番号、製造週、価格帯、取り扱い店舗、売り切れ時の次善策まで）が完璧に頭に叩き込まれていて、あとは巡り合うのをじっくり待つだけ、という購入パターンを示すものである。

　今回のターゲットは、Pentium!!! 500EMHz FC-PGA 版、ロットは SL3R2 あるいは SL3Q9 の MALAY 産、製造時期がなるべく新しい（できれば 2000年に入ってからの）もの、パッケージはバルクで、と決めていた。リテールパッケージでもよかったのだが、ロットが確認できないのと、CPU クーラーには TITAN TTC-M1AB を使うと決めていたので、バルク品を求めた。同時に、Slot1 と FC-PGA 変換用のアダプタ（通称"ゲタ"）として、SOLTEK SL-02A++ を念頭に置いた。

　タイミング的には、2000年 2月末に Intel の価格改定があることを知っていたが、同時に Coppermine 500EMHz が Pentium!!! のラインナップから消えるという情報も得ていたので、2月下旬の急な出張のついでに、秋葉原にて３点セット（CPU、CPU クーラー、変換アダプタ）を探してみた。結果、SL3Q9 MALAY 産、2000年第3週モノを発見、

　必然的に「見たら買え！」の法則が発動された（笑）。

　さらに、別の店舗にて、SL-02A++ の白箱バルクが 2,400円にて展示されているのを発見。ただし、「PPGA Celeron 用、FC-PGA での動作保証なし」と、気になるコメントがついている。SL-02A++ は、メーカの WEB サイトで確認しても、FC-PGA 対応をうたっており、今までそんな注意書きを見たことがない。しかし、他店では安くても 2,780円、京都で見た最安値が 2,480円だったので、モノが同じならここで買うべきである。

「この SL-02A++ は普通のと違うのですか？」
「いわゆるバルク品ですが、中身は同じです」
「FC-PGA では動作しないのですか？」
「個人的には動作実績がありますが、M/B によっては相性問題で動かない例もあり、店としては動作保証いたしかねます」

　そういう事情なら理解できる。私はもともと保証外のことをたくらんでいるのだ。

「これください」

　TITAN TTC-M1AB については、その特異な姿をあちこちで見掛けはしたが、どこもあまり安くない。京都での最安値 2,780円をついに下回ることなく巡回終了したので、CPU クーラーは京都に帰ってからとする。なんでもかんでも秋葉原が最安値とは限らないのだ。

　CPU と 変換アダプタを抱えて、帰途についた。